省エネコラム vol.3
キッチンこそ冷房を
湯沸かしや加熱調理、給湯器のお湯を使って後片付けや食器洗い乾燥機、それに電子レンジの使用熱・・・キッチンは家の中で最も熱が発生する場所です。冬はいいけど、夏には汗を拭きながら料理をするという方も多いのではないでしょうか。しかし、リビングと一体化したキッチンならともかく、独立型のキッチンにエアコンを設置しているお宅は、まだ少ないのが現実です。
「熱を使うからエアコンの効率が悪いのでは」「油煙でエアコンのフィルターがすぐに汚れそう」「そもそもキッチンにエアコンなんて贅沢」・・・キッチンにエアコンを設置しない理由はいろいろ考えられますが、実は、省エネという観点から見ると、キッチンはぜひ冷房したい場所。省エネ効果も上がります。

人が汗をかけば冷蔵庫も汗をかく
どのご家庭のキッチンにも必ずあるのが冷蔵庫です。冷蔵庫にはヒートポンプという技術が使われており、庫内と庫外の温度差で庫内を冷却します。つまり、気温が低ければ効率よく冷却し、キッチンの気温が上がれば冷蔵庫の効率は低下するのです。
そして、冷蔵庫は、家の中で最も電気を消費する家電製品でもあります。日本エネルギー経済研究所の試算によると、家庭の電気使用量の14.2%は冷蔵庫が使っているとか。これに対してエアコンは7.4%。冷蔵庫の約半分に過ぎません。
イニシャルコストの問題はありますが、人と冷蔵庫が毎日快適に仕事ができるようキッチンエアコンを考えてみてはいかがでしょうか。

資料:経済産業省総合エネルギー調査会省エネルギー基準部会(第17回)資料「トップランナー基準の現状等について」(平成23年12月26日)、資源エネルギー庁『家庭の省エネ徹底ガイド春夏秋冬』