設計コンセプト
古い団地の一角に計画された住宅である。敷地はT字型をした変形旗竿地になっており、住宅の配置計画は自ずと制限された部分が大きい。しかし敷地の南側は野山で、将来において住宅が建つこともないため、採光及び通風・プライバシーの確保が容易に計画できた。LDK・玄関・浴室・子供室・主寝室と、どこの部屋からも南側に広がる木々の緑を眺め、陽光が差し込み、風の吹き抜ける開放的な空間を構築した。玄関を中央に挟んで東側のコミュニティスペースと西側のプライベートスペースは内装仕上げで区分けされ、雰囲気の違う2種類の空間を楽しむことができる。LDKは白を基調とした自然素材塗壁と造作家具で統一し、玄関を含むプライベートスペースは構造用合板を現しのまま利用している。
また、エコキュートやLED照明・蓄熱式電気暖房器を採用し、平屋の屋根面積を有効活用するために太陽光発電システムを可能な範囲で乗せるなど、省エネ・省CO2にも配慮している。
引越してきた当初はまだヨチヨチ歩きだった娘が、半年ほど過ぎた今では家中を喜び勇んで走り回っている。これからもこの住宅で自然を感じながら、健やかにのびのびと育って行って欲しいと切に願う。