設計コンセプト
敷地現況は南側が親世帯の住居、東側に道路、北側と西側は建物が近接している状態。計画の初期から大切だと考えていたのは、敷地南側のもともとから在る庭をうまく生かした計画とする事。親世帯住居との程よい距離を取る緩衝帯としながら…室内からは木々を含んだ光や風といった外部環境の動きと、その向こうの親世帯住居の動きを、何気なく感じられる様な平面/断面/開口の在り方を考えました。庭に接する長さの大きい平面とし、広がりのある横長窓を設けたLDは、地盤面から1mの高さで床高を設定。室内から一般的に眺める高さより、又は外部から普段眺める高さより、少し高い位置とする事で庭に対しては新鮮な視点を、親世帯住居とは対峙する事のない様な視点の在り方を考えました。庭を介して何気なく感じられる存在感こそが、お互いの生活に安心と心地良さをもたらすのではないでしょうか。また、LDKの中心に夜間電力を利用した蓄熱暖房機器を設置する事で、住まいの中心に自然と家族が集まって来る様な計画としました。