設計コンセプト
この住宅は見晴らしの良い小高い敷地に立ち、そのロケーションをより活かす事を一番に考え、生活の場を2階にもっていくことで非日常の空間が生まれた。
リビングダイニングは、大きく開放できる木製建具と障子で組み合わせることにより、柔らかい光を感じる障子越しの和の空間と、全開放することで外にある木製のバルコニーを取り込んだ外(四季折々の景色)に繋がった大胆な空間が生まれている。リビングでは、家族はもちろん、お客さまがゆっくりとくつろぐことができ、キッチンでは、奥様やご主人もこの景色を楽しみながら料理をすることができる。
景色が開ける南東面は、外部からの視線を気にする必要が無いため、1階に脱衣から出られるトンネルの様なデッキを設け、夏場には大胆な気分を味わうことができる。
省エネルギー面は、床、壁、天井の断熱材はもちろん、2階は野地板を表すため、厚み30mmの杉材を敷き、その上に遮熱性の高いルーフィングを入れ、遮断熱を考慮。リビングの木製の大開口は、遮断熱効果が高い特殊ペアガラスを採用。大屋根の軒先も夏場の日射しが部屋に入り込まない深さとし、逆に冬場の日射しはしっかり入るよう建物の形状バランスを兼ね備えている。また、空気が滞留しないように窓の配置を工夫、特に2階キッチン上部にあるトップライトを通じて空気を循環させ、風の通りを十分に考慮した。使用材料も空気の調湿性を考え、木と土を十分に感じることが出来るものを基本に構成し、将来の経年変化を楽しめるものとしている。
ご主人の帰宅が遅く、奥様も看護師ということから、時間が合わない生活体系の中で、オール電化によるエネルギーの一元化も便利で快適な生活の一助となっている。