第14回 2010年 リフォーム部門 優秀賞
第14回 入賞作品 作品一覧
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■ 設計/株式会社
  TEAM STUDIO ARCHITECTS
■ 施工/株式会社建装
■ 竣工日/平成22年12月28日
[建物概要]
■ 建設地/島根県出雲市
■ 敷地面積/165.00m2
■ 建築面積/89.85m2
■ 延床面積/117.16m2
■ 構造・規模/木造 2階建
[設備面の特記]
■ 厨房機器
・IHクッキングヒーター
■ 給湯機器
・エコキュート
■ 冷暖房機器
・エアコン
・蓄熱式電気暖房器

設計コンセプト
この住宅は、30代のご夫婦と子供2人、目のご不自由なお父さま、足のご不自由なお母さまと同居する2世帯住宅である。元々、お父さま、お母さまの2人で住んでいた「住宅+診療室」を「2世帯住宅+診療室」にリフォームしたい、との依頼であった。そして、若いご主人から、お父さま、お母さまが快適に住める家にしたい、という想いを伝えられた。お父さまが自然を感じられるように…。お母さまが動きやすい動線に…と。若干の増築を行い、その中に全てが納まるよう、既存の間取りでのゾーニングをしながら問題点を探った。特に問題であった、動線の確保とプライベート空間の最小限化、冬の寒さによる移動に対する倦怠感を考慮して計画し、結果として既存の間取りを全て変更することになった。熱エネルギーを有効利用するため、既存の断熱をやり直し、シングルサッシからペアサッシに変更、開口部の位置関係を修正した。さらに安全面、ランニングコスト面を考え、2階部分も暖房が利用できるよう、1階の中心に蓄熱式電気暖房器を設置した。さらに、若いご夫婦の介護による精神的疲労を和らげるために、少しの時間に寛げる和室とキッチンを利用したバーカウンターを演出。一日の疲れを癒すため、お風呂に入りながら坪庭が見え、窓を開けると自然の風が吹き込むようにした。若いご夫婦は学校の先生をされていることもあり、多くの本をお持ちであったことから、家の中心にある階段を本棚と合体させ、本棚が家を支えているような1階から2階へ繋がった本棚の筒を考えた。そして、若いご夫婦と子供の部屋は、2階既存の部屋を繋ぎ、階段と本棚が仕切るワンルームとした。照明は、エネルギー消費を抑えるため、メインに使用する場所は全てLED照明を採用し、ランニングコストも抑えることができた。
平面図
寸 評
2世帯6人が生活するには充分とは言えなかった床面積の住居を、個人のプライベート部分を最小限に留め、パブリックの空間が最大ボリュームとなるようにしたリフォーム計画、狙い通りに見事に成功しています。家族間の繋がりを大切にと考えた機能的で広々としたLDK、また、そこに連続する階段部分に設けた本棚状間仕切りのアイデア等には住むことの楽しさを感じます。
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