第14回 2010年 リフォーム部門 佳作
第14回 入賞作品 作品一覧
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【作品名】 内路地のある家
■ 設計/仲村設計工房
■ 施工/有限会社小田工務店
■ 竣工日/平成21年5月25日
[建物概要]
■ 建設地/広島県広島市
■ 敷地面積/305.34m2
■ 建築面積/133.56m2
■ 延床面積/174.07m2
■ 構造・規模/木造 2階建
[設備面の特記]
■ 厨房機器
・ラジエントヒーター
■ 給湯機器
・エコキュート
■ 冷暖房機器
・エアコン
・蓄熱式電気暖房器

設計コンセプト
西側外壁のすぐそばをJR線が通り、東側に樹々が生い茂る南北に細長い敷地である。約30年前から増改築がなされ、それらを減築して築70年の民家を改築した。地盤が余り良くなく不同沈下が有り、地盤と基礎、そして既設柱、梁を金物等で補強し、耐震性を向上させた。改修前は、玄関を開けるとすぐ道路であったため、位置を庭のある南側に移し、屋根付の玄関門を設けた。玄関を入り、小庭のある内路地を通ると、広くて高い吹き抜けとトップライトのあるホールへと辿り着く。改修前の玄関ホール正面にあった2階へ上がる階段を逆転させ、ホールからは見えない位置とした。全体の平面プランは回遊性をもたせ、引戸を多用することによって視線が抜け、外部と内部の一体感が感じられるようになっている。室内は黒い杉の床板と白い漆喰の壁という構成であり、また、2階吹抜けホールにはギャラリーコーナーを設け、趣味の絵や古い器を飾り楽しまれている。駐車場から家族用の内玄関へは安心・安全な暮らしが出来る様にスロープを設け、屋根を架けて段差なく入ることが出来る。思い出のある敷石、式台、建具、格子等は再利用し、新しい場所に移して蘇らすことができた。
平面図
寸 評
「減築」の効果が顕著にでているお宅です。リフォームにあたり、部屋数を減らし、壁を取り払い、可動間仕切りで多目的な空間を生み出す。改修後に設けられた玄関ポーチ、ギャラリー、吹き抜けなどの仕掛けが新たな家族の物語を紡いでいく。床面積の大小が「家の広さ、豊かさ」を象徴するものではないことを実感しました。
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