設計コンセプト
この家は、ご主人の退職をきっかけに、隣接する畑を造成して建てました。南には吉岡川、背後には足高山、廻りの大半は田園で、とても緑に恵まれた立地条件です。その中に、素直に溶け込んでいくように、日本建築伝統の木・土・紙を基本材料に、また、一部には古材も使い、古びた感じの赤と黒を基調にデザインしました。小屋裏にはご主人がお使いになるロフトもありますが、いずれ訪れる高齢時代に備え、車椅子で使える高さのスイッチ・スロープ等の考慮がしてあります。近年の強烈な夏の陽射し対策としては、ペアガラスを採用し、軒下をどっしりと深くしました。また、土壁がしてくれる、調湿・消臭の効果も期待できます。瓦の下の断熱は硬質ウレタンフォームとし、軒先の通気穴からまんべんに入ってくる自然通気は、屋根からの熱気を遮ることと思います。そして南の掃き出し部分は、暖かいポカポカ日和の時に室内・外の境い目を無くして、ご夫婦で庭を楽しみながらお茶を飲む。こんな生活の為に、建具を収納して全閉できる工夫がしてあります。安心・省エネのフルオートエコキュートとIHクッキングヒーターで暮らす、仲の良いご夫婦の末永いお幸せをお祈りします。