設計コンセプト
古くから住み続けられた家のほとんどが増築、改築を繰り返し使われています。
そのため複雑な形になり機能もまとまらなくなっている住宅によく遭遇します。この住宅も若夫婦が帰ってくることで、もともとあった離れをリフォ−ムしようと考えていましたが、傷みが激しかった事から同じ位置へリビングを増築。要望はなるべくシンプルな平面にする事であり、新しいものを足すのではなく古い空間を合わせる事で建築全体が新しい空間に生まれ変わるよう設計しています。古き良き生活と新たな提案による生活が混ざる事でこれまでにはなかった暮らしのスタイルが生まれる事を期待しています。
子供達が通う小学校が近くにあり、放課後は友達との「アソビ場」になるように、また料理好きの施主が友人をバ−べキュ−に招けるように、外と内が一体となる空間を設けました。前庭からリビング、中庭テラスが一体となり子供達が走り回る音や友人達との楽しげな話し声、家族みんなで料理を作る姿などが開口部から周囲に漏れ出し、家の近くを通る人にも感じてもらうことで楽しさをおすそわけしています。
機能的な改善としては、北側にリビングを配置した間取りになりますが、方形の屋根をデザイン的に浮かす事で日中の採光を確保し、電力消費を軽減しています。さらに増築部分を既存の主屋とつなげる事で耐震性機能や、温熱環境の改善も図っています。