設計コンセプト
敷地はのどかな田園風景が広がる立地であるが、最大の特徴は南側隣家が親世帯という点である。
シンプルなデザイン性とワクワクする感じが欲しいというクライアントからの要望を受け、スキップフロアを採用した。空調効率を踏まえ細かく仕切れるよう配慮しながら、それぞれの領域の視線や空気感は繋がる計画としている。段差により色々な居場所が見つかる空間には、各所に好みのいろいろな色をちりばめた。家全体が子供の遊び場のように楽しい空間となっている。
強い浜風が吹く地域のため雨が塩分を洗い流せるよう西、北、東側は庇を設けないデザインでまとめた。
そして西、東側に防風となる外壁を設けることでバッファーゾーンが生まれ、そこを自転車置き場、物干しスペースとして利用できる計画とし、山陰の雨の多い風土に配慮した。
西・北風の影響を強く受けるため採光・通風を求めて南側を大開口とした。親世帯の建物自体が日射をコントロールする日除けとして機能している。また大開口部分の廊下を吹抜けとしフリースペースと称している。このフリースペース越しにミラーカーテンを用いて冷暖房効率を担保しつつ、それぞれの世帯のプライバシーがちょうど良い距離感となることを意識した。