敷地に立ち南西方向を見ると緑豊かな自然環境が一面に広がり、一見高台ともとれるような台形地。約230坪ある広い土地を少しでも有効に活用する為、土地形状に逆らわず、建物は住居部とガレージ部に30度の角度をつけた形状とした。ゆったりとしたこの地に流れる特有の空気感（時間）を感じ取れるような住まいにしようと思った。
クライアントがこの地を選ばれた理由は前面に広がる豊かな自然（緑の山々）の景色だった為、LDKは山側へ向け開いた間取りとした。日射角を考慮し建物内部をより快適な環境にする為、南傾斜の屋根は軒を大きく張り出し、夏の暑い日差しを建物内部に入れず、冬の日差しを取り込むようにしている。建物内部の天井と軒裏の仕上げを同じにする事で、より外部と内部に一体感を与え、お気に入りの自然を少しでも近くに感じてもらいたいと思った。建物の内部は屋根形状なりの勾配天井とし、部屋と部屋を仕切る壁の上部は硝子とする事で空間に広がりと明るさを届けている。
光と風をコントロールする事がエコ住宅の基本であると考えている。見た目のデザインではなく、機能という性質をもったデザイン。クライアントの要望と土地環境が持つ特有の性質を調和させカタチにした住まいになっていると思う。