設計コンセプト
この住宅は3階建ての住宅や中・低層アパートが密集する住宅街に計画しました。
施主からは、外部からの視線を気にすることなく過ごせる開放的な居住空間と、夫婦共通の趣味である車・バイクを楽しむことの出来る空間を望まれました。
前面道路や周辺建物からの視線に対しては、各居室にテラスや中庭をバッファゾーンとして介在させることとし、連続する内部空間の性質に合わせてルーバーや壁面を適宜設け、プライバシーをコントロールしています。
バッファゾーンは風・光・緑を多く採り込み心地の良い空間を提供し、季節や天候、時間による移ろいを感じさせる装置となっており、常に外部との関わりを造り出します。このことは空間的な豊かさの享受はもちろんのこと、自然を身近に感じ共生することへの意識も高めることとなります。
1Fのガレージは、玄関やホールとの境をガラスとすることで趣味の空間と居住空間を一体のものとし、車・バイクをより一層身近に楽しめる空間づくりを行ないました。
スキップフロア状の断面構成は、性質の異なる各空間の距離を縮め、互いに関係性を持たせることにより、この住宅に全体性を持たせています。
その結果、密集地でありながらも適度に外部空間と繋がる伸びやかな空間を造り出すことが出来たのではないかと考えています。