設計コンセプト
敷地は間口14m奥行22mの畑地で、1/3は畑として残すという条件が与えられました。住宅に効率よく光と風をとり込めるようにと、北側の接道から連続して、駐車場→住宅→デッキテラス→畑というゾーニングが決まりました。この住宅は「ヒトとネコとの快適な共存」をテーマにつくり上げた家です。クライアントが代弁するネコたちの要望をもとにキャットウォーク、キャットタワー、ネコ階段、ネコトンネル、キャットドアといったネコスケールの動線がヒトとのほどよい距離を保ちながら、家全体にはりめぐらせてあります。さらにその一部は本棚であったり壁掛け収納になっていたりと、ひとつのアイテムをヒトとネコとが異なる使い方でいっしょに利用するという試みをとりいれました。また、戸締りをしていても通風できる夏季の風道を計画し、冬季は輻射熱や対流熱を利用して家全体を均一に暖めることのできる電気蓄熱式床下暖房を採用するなど、ネコの留守番環境にも十分に配慮しました。場所ごとに異なるヒトとネコの快適な暮らし方を、それぞれのスケールで追求してつくりこんだこの住宅は、クライアントからネコたちへの愛情に満ち溢れた、実に豊かな空間に仕上がりました。