設計コンセプト
空を望める高台で庭のある敷地にありながら、室内からその様子を眺める機会が少なく、庭も荒れてしまった住まいを、「環境に開かれる快適な住宅」へリフォームすることを考えました。室内空間と外部空間を近づけ、そのつながりを調整できる空間として、縁側を増築する計画としました。縁側に設けられた9連の障子は、視線を遮りプライバシーを守りながら、室内を淡い明かりで満たすことができ、開閉の度合いを調整することで、光の状況、庭とのつながりを変化させられる多様性を持っています。また縁側の開口部には、常時換気ができるジャロジーが組み込まれ、通風の量もコントロールが可能となっています。
この空間により、ひなたぼっこや庭の手入れの休憩の場、観葉植物のためのサンルームなど自然と結びついた活動の幅を広げ、生活を通して日々変化する自然とのつきあいを緩やかに意識していければ、より多くの場面での省エネルギー・省資源・環境保全への意識へとつながるのではないかと考えています。