設計コンセプト
夫婦でゆったりと生活を楽しむための器としての、シンプルでコンパクトな住まいである。4間四方の正方形の平面形を、田の字に4分割した線を基準にプランを構成した。面積の約半分を占める1FのLDKは、生活の中心となる居間であり、食堂であり、キッチンである。光と風が抜け、蓄熱式の床暖房を備えている。南に大きく窓を開け、視線が抜けるようにした。キッチンカウンターは最小限の機能を備え、家事室がそれを補完する。吹き抜けに面する西側の大きな壁には、プロジェクターにより映画などを楽しめる。寝室は吹き抜け側の窓を開放すると桟敷席に変身する。玄関は、道路からスロープで繋げ、趣味の自転車をそのまま乗り入れるようにした。スペースをゆったりとり、自転車の格納、修理整備などもできる。2階は、間仕切りを最小限にとどめている。畳を敷いた室2は、吹き抜けに架け渡したようにしており、一部ガラスの床にして浮遊感を演出している。室3は、将来必要になったときに最小限の個室として分割して仕切れるように、下地や照明設備の系統分けなどを考慮している。