第27回エネルギア住宅作品コンテスト
表彰式・交流会が開催されました

2024年2月22日(木)、広島市内のホテルで「第27回 エネルギア住宅作品コンテスト」の「新築住宅部門」「リフォーム住宅部門」の表彰式および交流会を開催し、今年度の入賞者7名、審査委員3名にご出席いただきました。

自然素材や自然由来のエネルギーを利用した
サステナブルな住まい提案に感銘
〜主催者代表あいさつより〜

初めに、主催者を代表して中国電力株式会社 販売事業本部 長原敏明部長があいさつし、「応募作品の一つひとつに自然素材を取り込んだ高い機能性とデザイン性を実現する独創的な工夫があった。また自然由来のエネルギーを効率的に利用した構造や中国地域の持つ景観・気候風土と調和する多くのアイデアが見られ、感銘を受けるサステナブルな住まいの在り方が実現されており、建築に携わる方々の熱い思いが伝わってきた」と述べました。その後、入賞者7名、一人ひとりに、表彰状、楯、副賞を手渡しました。

主催者を代表してあいさつする中国電力株式会社 販売事業本部 長原敏明部長
新築住宅部門 最優秀賞 キノシタヒロシ氏(キノシタヒロシ建築設計事務所、写真右)

審査委員講評と最優秀賞受賞者による
プレゼンテーション

続いて審査委員3名が、入賞作7作品についての講評を行いました。新築住宅部門 最優秀賞に輝いた「屋内庭のある家」(キノシタヒロシ氏)については『雨の降る日が多く積雪もある山陰地方ならではの気候風土を加味し、屋内にいながら外部を感じることができる住まい。大きな気積の中に巧みに配された小さな居室がまるで重ね着をしているかのような素晴らしい住宅』また、リフォーム住宅部門 最優秀賞「広葉の家」(高吉輝樹氏)については、『スペースの取りかたが絶妙で、若い設計者だがベテランのような卓越した手腕を感じさせる作品』と講評されました。
その後、新築・リフォームの各部門を代表して、キノシタ氏と高吉氏がプレゼンテーションを行い、写真や図面を使って設計の背景や作品に込めた思いなどについて説明しました。

プレゼンテーションを行うリフォーム住宅部門 最優秀賞 高吉輝樹氏(TT Architects 株式会社)

活発な情報交換が行われた交流会

表彰式を終えた後は会場を移動し、交流会を開催しました。審査委員である株式会社UID 主宰 前田圭介氏の乾杯あいさつの後、食事を交えながら、各テーブルでは今回の入賞作や建築・設計に関して、お互いに情報交換する様子が見られました。さらにその後行われた入賞者インタビューでは、工夫を凝らした点や苦労話などがユーモアを交えて披露され、終始和やかな雰囲気に包まれていました。

笑顔でインタビューに答える審査委員特別賞の吉田豊氏(吉田豊建築設計事務所)

審査委員のことば

株式会社UID 主宰 前田圭介氏

「これからの時代、建築のサステナビリティやコミュニティアーキテクトの役割はとても重要であり、そのことを関係者に促していくのは建築家の役割の一つ。中国5県の素晴らしい住宅を50年先・100年先に紡いでいけることが大事であり、このコンテストも地域に根差した建築家・クライアントを醸成できる一つの存在になれば嬉しい。」

住宅誌「モダンリビング」編集長 高坂敦信氏

「理想の住まいとは、『住み手に見合う』ということが大事。供給する建築家は、施主・周辺環境などと向き合いながら、しっかり責任を持って理想の住まいを提案する。そうすれば住み手は、関心を持ち自分を理想に合わせていくのだと思う。」

原浩二建築設計事務所 所長 原浩二氏

「どの作品も、設計者の気持ち・魂が込もっている作品ばかり。難しい条件もあったと思うが、それらを丁寧に乗り越えていったことが感じられた。一般的に家を建てることは、人生で何度もあるわけではなく、人生をかけてやること。それをお手伝いすることは、とても尊い職業だと皆さんの仕事ぶりを見て改めて感激した。」

学生部門の表彰式をリモートで開催

学生部門の表彰式は、3月12日(火)、審査委員3名と、全国の入賞者5名をリモートで繋いで開催しました。入賞者の作品プレゼンテーションおよび審査委員による講評を行った後、交流会を実施しました。
入賞者の中には4月からは社会人として建築関係に就職する学生も参加しており、作品に関する質問以外に、仕事に当たる際の心構えについての質問もありました。審査委員の前田氏からは、自身が事務所立ち上げの前に5年間現場監督として経験を積んだことがその後に大きく役立った経験を話し、「小さな仕事の中に面白みを見出すのも、自分の考え方ひとつ。無駄なことは何一つないので、どんなことにもアンテナを張って前向きに取り組み、その中で自分のこだわりを徹底して貫いてほしい」と、力強いエールを贈りました。