設計コンセプト
急な坂道を登った先にある眺望のよい高台の敷地に家族3人のための住空間を計画した。
敷地は山口県周南市の傾斜地にある古い団地の一角。団地の東の端に位置し、南東の方向に眺望が広がっている。高台にある、この敷地の環境と魅力を生かすことを考えた。
住空間を、大きな吹抜を中心としたオープンな箱、個室や水廻りの機能を持つクローズな箱、2つの箱で空間を構成した。オープンな箱では、南東側の眺望を最大限に生かすため、空間を南東側に大きく開いた。
この大きな開口で斜面を駆け上がってくる風もとらえられる。吹抜のある大きな一室空間の中、床レベルを徐々に上げていくことで居場所の距離を近づけた。
2階床からリビングの天井まで板張りを続けることで、上部空間とツナガリを強めている。キッチンから見下ろす眺望に合わせ、リビングを板張りの勾配天井とし、外部まで繋げた。クローズな箱では、それぞれの空間を効率良くコンパクトにまとめている。また、廊下に1m×1mの吹抜を設け、上からの光と家族の気配を柔らかく伝えている。
風の流れや、時間や季節による光の変化、居場所のつながりを考え、この家族の住まいを計画した。