設計コンセプト
小高い丘にある住宅団地の北端。“アトリエのある無垢の家”をテーマとして夫婦と子供二人のための住宅を計画した。キーポイントは、(1)諸室の配置、(2)緑豊かな景観が広がる北側の眺望、(3)呼吸する家の三つである。
まず、諸室の配置に関しては、1階をアトリエ、2・3階を住居とし、1階中央に“トンネル”を挿入した。そこは、アトリエと裏庭、そして住居が緩やかにつながる半屋外的な空間で、夏は風通し、冬は日当りが良い場として多目的に利用している。一方、住居の玄関を北側に置いたことで、2階リビングを南面いっぱいに使うことができた。アルコーブや畳コーナー等を設け、魅力のある空間にまとめた。3階はプライベートゾーンで、セカンドリビングや個室を配置し、建物として階によるゾーニングを意識した。
“北側の眺望”については、1階は前面道路からの眺め、2階は緑豊かな景色の楽しみ、3階はリラックスの場など、各階ごとに異なる意味を持たせた。
“呼吸する家”としては、外壁、内壁共に無垢の木材を採用、また、眺望と採光を意識して設けた開口部は、南北通風の確保にも役立ち、夏涼しく快適な住環境を提供している。