設計コンセプト
昔、民宿をされていたこともあり、とても大きな家。目の前が日本海と、景色が良く、自然豊かな場所にある。家族はご夫婦と息子さん、お爺さんの4人。施主からは「もう海は見たくない」と不満が。海が荒れると雨、波、風が異常に強くなり、サッシガラスは歪み、水が入ってくる。夏は西日が海面に反射して、日射しが強い。冬は隙間風と断熱材が入っていないため非常に寒く、暖房費が異常に高くなる。
改修では、まず家族人数に対して大きすぎる家を減築し、家族が一か所に集れるLDKをメインに考えた。海に面し波風が強い箇所はFiXサッシと開き戸、熱遮断ガラスを採用。サッシの高さは低くし、その分、サッシからの光を効率良く取り込むため、ベンチを設置。天井は斜めにすることで開放感を出し、蓄熱式電気暖房器を置くことで、冬も快適に過ごせるようになり、家族が自然に集まる空間が完成した。
海との共存を考え、素材では極力自然のものを採用。床は無垢材、内壁は珪藻土、外壁は漆喰を使い、厳しい自然環境でも家全体が呼吸し、調湿する。家にも人にもやさしい家作りを目指した。