設計コンセプト
日本では四季という特徴ある環境があり、木はその環境ごとに姿を変えている。人々はその変化から季節を感じ、愉しみ生活している。しかし、現在の住宅は高断熱・高気密の住宅が多く、住宅の生活において自然と共存できていないため、四季の変化を感じ取れない。また、パブリック空間よりプライベート空間を重要視した住宅が増えているため、地域コミュニティが生まれにくく、地域とつながらない。
そこで、私は木々を建物の周りに配置することで、木々が住宅のファサードとなり、四季により表情を変える住宅とし、四季の変化を生活しながら感じることができつつ、木々によりプライバシーの確保ができる。そして、木々に屋根を覆うことで、庭と一体化した住宅となる。また、個室以外を半屋外とし、縁側などのパブリック空間で地域住民と読書や食事などをしながら過ごしてもらう。また、庭を地域に開放して、地域住民と共同で菜園を行うことで、地域コミュニティが生まれる。そして、軒の高さに変化を与えることで、パブリックスペースに多方向から光や風を取り込み、より自然を感じられる空間となる。これらのことから地域と住宅がつながり、愉しめる住宅を提案する。