第21回 2017年 新築住宅部門 最優秀賞
第21回 入賞作品 作品一覧
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【作品名】 楽々園の家
  • 設計/小松隼人建築設計事務所
  • 施工/有限会社 ホームテック
  • 竣工日/2016年12月21日
[建物概要]
  • 建設地/広島県広島市
  • 敷地面積/219.87m2
  • 延床面積/151.22m2
  • 構造・規模/木造2階建
[設備面の特記]
  • 厨房機器
    ・IHクッキングヒーター
  • 給湯機器
    ・エコワン
  • 冷暖房機器
    ・エアコン
    ・床暖房(ヒートポンプ式)

設計コンセプト

敷地は広島市内西部に位置する住宅地。敷地の西側は道路を挟んで河川が通り、北側を見ると少し込み入った街並みの先に美しい山並みが広がります。この豊かな環境を取り込んだ暮らしを実現したい一方で、川沿いの道路および近隣に通る国道からの騒音やプライバシーの確保を考慮する必要がありました。周辺にはカーテンを閉めて生活している建物が多いため、この場所の豊かさを享受できていないと思えます。周囲の環境とどのようにつながり、共存するべきか、境界のあり方について考えながら計画を進めました。
川沿いの西側道路は敷地よりも1mほど高いため、生活の主体を1階として開口を設けたときに道路からの視線ばかりが気になり、遠景の山並みも見ることもできません。そこで、玄関→ダイニングキッチン→リビングの順に床を緩やかに分節しながら上げていき、2階に設けたセカンドリビングへと連続させました。1階は周辺環境から守られた空間として開口を絞り、吹抜けを介して空へと開きます。2階は吹抜けを介して周辺環境に開いた空間となり、また吹抜けは外部との中間領域(フィルター)としての役割を果たし、セカンドリビング、寝室、子供室といった空間と風景は、フィルターを通して緩やかにつながります。西側外壁は扇状に折れ曲がることで、川の流れから山並みまで広がる風景をパノラマ状に取り込むことができ、その屈折点に設けた壁柱が水平剛性を負担し、木造でありながら大開口を実現しています。
外部環境との中間領域を庭や軒下といった外部空間に設定するのではなく、吹抜けという大きな内部空間に設定することで、街と、風景との適度で柔らかなつながりをつくり出せたのではと考えています。

平面図 断面図

審査委員講評

この住宅が建てられた場所の特徴である山並みや河川の眺望を最大限に取り込んだ明るい住空間が完成しています。機能別に分節した各フロアーに少しずつ段差を設け、1〜2階に一体感を生じさせた空間からは、ここで生活する家族の楽しさが伝わってきます。周辺からのプライバシーを守りながら、外部空間をパノラマ状に取り込む開口部の計画手法が見事です。

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