設計コンセプト
共働き夫婦と女の子と男の子、4人家族のための住宅。
市内中心部に位置し、交通量の多い道路に面したご実家の敷地の一部を使って、新しい暮らしを計画。
打ち合わせの初めに「住む」という雑誌5冊をお持ちなり、新しい住宅での生活のイメージを明確に提示された。(「経年美化」や「燃えた時、残るものは使いたくない」など。)
もともと平屋が建っていた場所に、また新しく平屋を建てる。
変えないことと変えること。古いものと新しいもの。そして変わっていくもの。敷地条件より限られた空間ボリュームの中、4人家族が暮らすためのコンパクトな空間を提案。中央に水回りや収納と集めコアをつくり、そのコアで、北側に人を招き入れるパブリックなゾーン、南側に家族がくつろぐゾーン、空間を2つのゾーンに分けて計画。そして、それぞれのゾーンとご実家を、共有する既存の桜の木がある芝庭でつないでいく。室内空間は基本仕切らずに家具等で可変的に利用。変化していく生活スタイルに対応。床のレベルには少し変化を。室内空間の約半分を土間として計画。モルタルの土間と杉の無垢板に珪藻土の塗り壁。自然と錆びていく鉄板の塀、版築の壁。
既にお持ちだった家具や購入されるビンテージの家具を考慮し、造り込み過ぎずシンプルに計画。床や造作家具等の新しい素材も、敢えて初めから古いものにあわせずに、素材感を大切にし、自然な変化を楽しめるようにした。
年月の経過とともに更に魅力が増していくような住空間を目指した。