設計コンセプト
大きな屋根があるということ。
屋根があればその下には空間が生まれる。
その空間はどんな要素を持っているか。
家族が暮らす空間。
子供が勉強し、成長していく。
両親が1日の仕事の疲れを癒して、くつろぐ。
祖父母が子供や孫の暮らしを見守りながら、ゆったりと1日を過ごす。
大きな屋根は昔から人々が安全に暮らす住空間を構成し、
これまでの長い年月の生活を支えている。
家族が自然と触れ合う空間。
大きな屋根があることで生まれてくるのが「半外部」という空間だ。
大きな屋根の下の壁で囲われていない場所。
そこには風が流れ、植物の気配を感じることができる。
子供達は雨の日でも部屋から出て、
雨の音や温度を近くに感じながら1日を過ごすことができる。
住人と近所をつなげる空間。
大きな屋根は、家の前を通る人々を迎え入れる。
そして地域とのつながりが生まれていくのだ。
子供達が学校から帰ってくる。
友達と本を読んだり、宿題を一緒に終わらせたり、
軒下に机や椅子があればそこで気軽にお茶をしながら話をする。
そんなふうに大屋根の下に家族、自然、地域が集まる住宅を設計した。