第19回 2015年 新築部門 最優秀賞
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  • 設計/建築設計事務所 可児公一植美雪
  • 施工/梶岡建設 株式会社
  • 竣工日/2015年7月30日
[建物概要]
  • 建設地/岡山県津山市
  • 敷地面積/185.60m2
  • 延床面積/86.10m2
  • 構造・規模/木造平屋
[設備面の特記]
  • 厨房機器
    ・IHクッキングヒーター
  • 給湯機器
    ・エコキュート
  • 冷暖房機器
    ・エアコン
設計コンセプト
この住宅団地は、今から約60年前に整備された。現在は、初期の住宅が老朽化し残っている場所、取り壊して空き地となった場所、そこに新たに家が建った場所と、密度の薄い、不安定な場所となっていた。そのような、今後も変化していくと想定される周辺環境で、施主も住み方に対して強いイメージが無いという、とてもルーズな条件下で一体何が最もふさわしいのか考えた。敷地の些細なコンテクストを拾い上げ、施主の深層心理に眠る要望を掬い上げ形としていく事も考えたが、何かやはり無理矢理に理屈づけているような違和感があった。
そこで、周辺環境に対する信用の無さ、施主の生活イメージの無さに対して真正面から向き合い、質の異なる大きな空間を2つだけ提案した。1つは12本の柱が均等に落ち、細かく間仕切れる空間。1つは建物外形がそのまま平面となった間仕切りも何も無い空間。周辺環境の変化に対して敏感に反応し変わっていく空間と、周辺環境がいかに変化しようとも変わらない空間。この両極端な2つの世界を行き来し、住人は自らと周辺環境とのかかわり方を探っていく。
住宅というよりは、この土地に生きる場所のようなもの。変わるものと変わらないもの。
平面図
平面図
審査委員講評
季節や生活に応じて、自由に変化し続けられる実にコンパクトな住空間です。光量や自然通風を住人自身が単純な方法で制御できるという手法は、日本古来の民家を彷彿とさせてくれるようでもあり、直接的に省エネにもつながると思われます。また、半透明の光天井のある一室空間は、家族の成長とともに変化させ、幾通りもの楽しい住まい方が想起されます。実に新鮮であり感動しました。
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