設計コンセプト
施主の親族が所有していた2階建ての事務所倉庫を住宅にリノベーションした計画である。各階40坪ほどとワンフロアーで十分な面積を確保できるため、1階は倉庫のままとし2階の事務所部分を全面改装した。
屋外との接地がとれないかわりに内部に白玉砂利を敷き詰め、鉢植えの植栽を置く事で「屋外的内部」をつくり出した。部屋と部屋の間に玉砂利スペースを作るというよりは玉砂利を敷き詰めた中にDK、和室、寝室、トイレ、浴室、クロークを「島」のように配置していった。
家の中を移動するときは常に玉砂利を渡ったり横断していかなければならない。始めはちょっとぎこちなさを感じるがすぐに身体が動きを覚えてしまう。この「余白」が日々の生活に少しだけ無意識の豊かさを生んでくれる。既存の躯体に断熱が一切なかったので床、壁、天井と高性能の断熱材を新たに充填し、既存サッシはコスト的に取り替える事ができなかったため、遮熱フィルムを貼ったり遮光ブラインドを取付けて熱対策とした。さらに階段室や中庭スペースを介して外部への熱損失が生じる部分はその部分の内部間仕切りを断熱材充填とし、ガラスはペアガラスとしている。