第18回 2014年 リフォーム部門 最優秀賞
第18回 入賞作品 作品一覧
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【作品名】 小郡の古民家
  • 設計/相良友也建築工房
  • 施工/有限会社 こやま塗装
  • 竣工日/2014年10月25日
[建物概要]
  • 建設地/山口県山口市
  • 敷地面積/660m2
  • 延床面積/132m2
  • 構造・規模/木造在来構造
[設備面の特記]
  • 厨房機器
    ・IHクッキングヒーター
  • 給湯機器
    ・エコキュート
  • 冷暖房機器
    ・エアコン
設計コンセプト
築250年を越える古民家の改修です。お施主さんは定年直後の元気なご夫婦ですが、将来を見越してのバリアフリー化、設備のオール電化を望まれていました。
元々の間取りは昔ながらの田の字型だったので、南北の庭を繋ぎ十分に風が抜けるようにリプランしています。また先の改修(既に幾度の改修を経ていた)で内部化された縁側を減築することで濡れ縁に戻し、庇の機能を取り戻しました。更に妻面の高い位置に電動で開閉する窓を設け、煙突効果を利用して効率的な換気・排気を可能にしています。
その他のご要望の中に「天井裏に隠れている小屋組みを現しにして欲しい」とありました。既存の柱梁を残して内部をスケルトン状態にした後、新しく造られた壁(白い壁)は既存の梁下で留め、時間の対比を表現しています。この操作により小屋組みをどこからでも望むことができ、姿は見えないけどなんとなく雰囲気が伝わる、謂わば大きなワンルーム住居となっています。また既存の垂木・野地板を隠すことも検討しましたが、セラミック塗料を塗ることで温熱環境にも考慮しつつ、小屋裏の雰囲気も残しています。設備にはエコキュートやLED照明を用いることで省エネ化も実現しています。
平面図
平面図
審査委員講評
「何を残して、何を加えるか」がリフォームの要だと考えます。
小屋組・天井を残して壁と床を新しくする。この明快な方針とおおらかでバランスの良いプランによって思いっきりのびのびとした生活空間が獲得されています。縁側の減築も、内外に向けて大きな効果をあげています。
小手先のデザインに頼ることなく、的を射た方針を丁寧に形にしていく姿勢が素晴らしいと思います。
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