設計コンセプト
郊外の北西角地に建つ住宅である。南東側は住宅が近接し、北側には森、果樹園と緑が広がる。2階レベルからは南下に瀬戸内海が見える。限られた敷地の中で周辺環境の楽しみ方、採光通風の導き方、住宅の建ち方を模索した。
1階にはプライバシーが高い用途をコンパクトにまとめ、周辺とのバッファーゾーンとしてハーブ畑を設けた。2階はパブリックな用途をワンボックス構成とし、均質な生活の明るさとした。また不在時の住宅の存在で周辺環境が閉鎖的にならないように配慮した。1階ガレージ外壁は閉じつつ、開く事を意識し、大きな軒下空間とする事で開けた空間とした。
玄関扉を開けるとプライバシーを保ちつつ、軒下空間を介して住宅内部へと繋がる。内部からは階段部分に設けられた大開口によって北側果樹園、森、通りに繋がる。通りからは大開口部に周辺環境や空が映し出される。
外部空間、内部空間それぞれが新しい楽しい環境を作り出す媒体となり、潤滑する関係となる事を期待している。