設計コンセプト
4軒の住宅が狭いT字路に面する建て込んだ住宅地での計画。主な進入路となる東側道路は、特に狭く、3mほど。計画地の北西側に建物・塀を設けてしまうと、明るい住宅地の雰囲気が暗くなること、各家の車の出し入れの見通しが悪くなることが懸念された。そこで、北西角のT字路交差点側は、オープンな駐車スペースとして利用。周辺環境の安全性と雰囲気の向上に寄与しつつ、住宅からの車の出入りが最善となるように考えた。各家が面する西側道路側も、塀などを一切設けないオープンな外構とし、壁面を境界線から3mほど後退させた位置に建物を配置することで、 広々とした明るい環境を作り出した。
住まいの中心は、大きな三角型テラスデッキと一体となった扇形のLDK。東側と南側の隣家の狭間となる開けた敷地南東部に配置した。南東向きには、大きな木製窓を設置。冬の寒い時期には、まるで日時計の針が進むかのように、午前から午後へと家の奥深くまで光が差し込む。また、北側と西側には、LDKのバッファゾーンとなるように、収納室・玄関部・水廻り室などの小さな諸室を並べた。