第13回 2009年 新築部門
最優秀賞
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■ 設計/株式会社y+M design office
■ 施工/株式会社あおき
■ 竣工日/平成19年10月1日
[建物概要]
■ 建設地/島根県大田市
■ 敷地面積/343.24m2
■ 建築面積/110.46m2
■ 延床面積/142.66m2
■ 構造・規模/木造軸組・2階+ロフト
[設備面の特記]
■ 厨房機器
・IHクッキングヒーター/三菱 CS-G320BS
■ 給湯機器
・電気温水器/三菱 SRT-J46F3
■ 冷暖房機器
・ルームエアコン/ダイキン S63GTSP-W
・電気床暖房/古河電工 FM27BO-12
設計コンセプト
教師のご夫婦と双子の子供の4人家族。クライアントの要望は、(1)人(教え子)が集まる家にしたい、(2)暖かく明るい家に住みたい、(3)プライバシーを守りたい、の3つ。また、敷地は日本海に近く、冬季は潮風が強く吹き、日照時間も短いことから冷え込みが厳しい。南面は幅員3mの前面道路で、その向かいには高さ4m程度の運動場の土手が広がる。北面は地域の生活道路に面し、東面は2階建住宅が建っている。以上のクライアントの要望と周辺環境を考慮し、「階段の家」を計画した。階段上の屋根は屋上階段テラスとして、ご家族とお友達、教え子、近所の方々など、人と人の輪を広げ、絆を強める新しい場としての役割を担っている。また、階段状の空間構成により、室内の広さとプライバシーの確保を両立。採光は居住スペースの奥まで十分に届くように、南面上方に向かって蹴込部にスリット状の開口を設置。この開口は落葉樹とともに、室内環境の調整も担う。夏は落葉樹が高度の高い太陽光を遮り、踏板に反射した柔らかい間接光が差し込む。冬は、高度の低い太陽光が室内の奥まで届き、床暖房の輻射熱により室内を暖める。省エネも考慮するとともに、厳しい周辺環境でも快適に過ごすことができる、新しいインターフェイスを持つ住宅が完成した。
平面図
寸評
一見、特異な形状のように思えるこの住宅は、家族や知人、近隣の人々達の全てが楽しくなるようなパブリックスペースを主題としています。また、内部は明るく、機能的なプライベート空間となっています。前面の運動公園の法面、方位と太陽高度、季節風等から生成されたシェルターは、自然や周辺の環境からの発想であることで強い説得力を持つ素晴らしい棲家となっています。
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