設計コンセプト
敷地は細い道にて結ばれた住宅密集地に位置し、プライバシーの確保が困難な環境に大きな一塊としてある。そのため外部からのプライバシーの確保と距離感、内部の開放的距離感を得る必要があった。
各室の周囲を中間的な外気の居間で包み込み中心に中庭を計画する事で、各室が開放的で中間的な空間に段階的に向かい合うプランとなり、周囲を囲まれた敷地でありながらプライバシーを気にせず窓を開け放つ事を可能とする住空間とした。それらの中間的空間は居室の外や外気空間の外周部において開口調整が可能であり、中間季や夏季では風を取り入れ快適に過ごす事が可能な木陰の様に、また冬期には開口を閉ざす事と空調機の熱を効率的に利用する事で服の様に機能する。
積極的に外部環境を取り入れながら室内気候の調整を試みており、季節や時間の変化を緩やかに感じる事が可能な計画を目指した。