設計コンセプト
オフィスビルの3階フロアーを居住空間へコンバージョンした。
このオフィスビルは市街地にあり利便性も良く、当ビルのオーナーである施主は1階で店舗を経営している。この時期、ご夫婦には子供が産まれたばかりで、特に奥様は子育てと仕事とに両立することとなったが、住居と仕事場が同じビル内になったため、奥様への負担は格段に軽減された。
南側は既設の窓を利用し、外壁面と居住空間との間にインナーバルコニーを設けて、日の当たるその空間を洗濯物干し場として利用することを提案した。
LDK・寝室の床材は、ソフトで肌触りのよい唐松の無垢フローリングを使用している。壁・天井は、珪藻土クロスを使用し、夏には湿気を吸い取り、冬には水分を放出して乾燥をやわらげる効果を考慮している。建物東側と西側にはビルが隣接するため窓が設けられておらず、採光は南側と北側の二面からしか確保できない。そこで、LDKとインナーバルコニーとの間仕切、LDKと寝室の間仕切にはアルミ製スクリーンパーティションを設置することで、二面の窓がLDKと寝室の双方に採光をもたらし、日中でも部屋が暗くならないよう考慮してある。